現在のゴミ環境

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一般廃棄物と産業廃棄物関係の仕事に携わってもう長いです。ゴミ業界は地域癒着が凄いのですが、前大阪市長の橋下さんの大阪維新の会の政策によって、けっこうメス入れが入ったと思います。ダルンダルンのゆっるゆるのこの業界も以前と比べるとかなり取り締まりがキツくなって、民間企業も苦しめられましたが、市の職員にもこれまた負担が強いられたとも思います。

まぁもともと同和部落発信でできた業種なんで、当たり前の常識がないことが当たり前の常識みたいになってもいたので、なかなか大変だったと思います。市の職員なんて勤務時間に、受付の椅子に座ったまま携帯いじってパン食べながら対応していましたから。地方公務員でこの勤務態度は他にないと思います。公務員採用されるのも、コネ一択だったとの都市伝説も聞いたことがありました。全然当たり前に信じれる話でした。

そしてですが大阪市の一般廃棄物処理施設の工場もかなり減りました。西淀川・東淀川・森ノ宮・鶴見・大正・舞洲・住之江・平野、昔は南港にもあったみたいですが、現在では森ノ宮・大正・住之江工場が停止となりました。残った工場も昔みたいにはいかず検査、検査、検査と搬入が厳しくなり、そのかいあって一般の方にも分別意識が浸透して、排出されるゴミも綺麗になったと思います。ちなみにですが、僕の出身である千葉県はゴミの分別が異常に厳しく、昔から、不燃ごみ、可燃ごみ、資源ごみの分別意識が小さい頃から意味も分からず備わっていました。なので大阪を含め、地方勤務で生活した時代には、ゴミ袋1つに何でもかんでもまとめて入れてしまう文化にビックリしました。あぁラクチンでいいなと。その習慣に慣れてしまってからのダラダラのゴミ業界。最初はこんな汚くて臭い仕事なんて、底辺仕事NO.1と思いましたが働いてみたらビックリ。毎日が楽しくて仕方なかった。毎日働いているのではなく、夜の街をパトロールして遊んでいる感覚でした。働いている感覚は当時全くありませんでした。何でもアリの世界でこんなラクな仕事あるのだと感動さえしました。まぁ現在はそんな訳には行くはずもなく、コンプライアンス遵守して勤務に当たってるのでしょうが。

この世の中でできているものはほとんどの物が再生利用が可能な有価物であります。身近なものでは、紙とかプラスチック、あと鉄板で金属ですか。金プラチナダイアモンドみたいな価値はありませんが、人々の生活で利用される家具や家電製品などほとんど分別分解していけば、資源として有効な有価物になりえます。単純に鉱物になればなるほど価値は高いのですが、生活の中では金属類が有価物として一番価値が高いと言えます。金属はどんな物でも高炉で溶かしてしまえば加工がラクな混ざり物の少ない鉄になりますから。大きい施設が必要ですがリサイクルの方法が比較的安易だと思います。その次にラクなのが紙類です。新聞ダンボール雑誌、分別は3種類程度のものでリサイクル率も高い。ですが有価物としての価値は低い。生活には欠かすことができませんが、紙媒体のそのものが減ってきているのでより一層資源的価値が下がっていると思います。そしてプラスチック。この世の中のものでプラスチック製品ほど一番多く使われてると思いますが、このプラスチックこそが一番難しい。突き詰めていけば全て石油製品なのですが、pp,hdpe,spe,ps,pc,pet,や樹脂を混ぜたabs、塩化ビニール類など種類を上げたらとても多い。そしてどれがどれなのか判別も難しい。普段ジュースなどで使われるペットボトルもフタはpp容器はpetでできているのですが、これ一つでもどういった違いがあるかと説明しずらい。そしてこれら全てを綺麗に分別して石油製品としてプラスチックに還元するのに莫大な手間が必要になります。リサイクルは人件費が多大にかかる。その証拠に実は大阪府で行われている、リサイクル券を貼って収集運搬処理している一部不燃物を除く粗大ゴミなどのほとんどが、そのまま分別されることなく工場に搬入され焼却処分されています。民間企業には検査を強いりますが、大阪職員はそのままゴミを処分してしまいます。これは行政がやりたくてもできないんです。リサイクルして有価物として生み出される価値よりはるか多く人件費の方がかかってしまうわけですから。行政が本気で行うには税金では賄えないほどの手間とお金が必要になるんです。そういった影響から近年では民間企業の入札によって回収や分別が委託されるようになってきているんです。地球環境を大切にして使ってるのは実は国よりも民間中小企業だったというわけです。

よく許可持ってるんですか?と聞かれることが多いのですが、一般・産業廃物関係の仕事では許可が必要になります。一般的な流れとしては、家庭や企業から不必要となったゴミが排出される、それを運ぶ、そして処理所で処分するという流れになります。この廃棄物を収集運搬する業者とそれを処理する業者にそれぞれ許可が必要になってきます。3者契約といって、排出者(企業)・収集運搬者、処理業者が一つの廃棄物を処理するにあたって契約が必要になります。これはどこの誰が廃棄した物が、収集運搬業者が不法投棄などすることなく適切に運搬し、処理施設が適切に処理しましたというひとつのマニフェストと呼ばれるもので証明します。排出者にはもちろんなんの許可も必要ないですが。この収集運搬許可などなんですが、これ処分することを前提に作られているんですよね。リサイクルしないんです。ただただ一般家庭や企業から排出された廃棄物を焼却処分して、その焼却灰を舞洲の埋め立て地にするだけなんです。これって寂しくないですか?プラスチック一つにしても有限である石油から作られている資源です。ただ焼却処分して埋め立て地を増やしていっても地球の資源は減っていく一方になります。自分の世代でエネルギー資源が枯渇することは考えにくいですが、今あるエネルギーを食い潰すことなく次の世代の人間に残していってリサイクルやリユースしていく循環型社会を目指すべきではないでしょうか。そういった考えが根底にあるので収集運搬許可はとっておらず古物商の許可で取引させて頂いてます。手間や工賃、時間もそうなんですが、コストで考えると一切合切焼却処分する方が確実に安く上がるんです。実はリサイクルしない方が手間も時間もかからないです。でもそれでは悲しいのでコツコツ有価物に変えてく作業を毎日しているオカチャイ商店です。個人事業だからこそできる採算の合わない仕事を明日もするのでしょう。

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